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国産木材に求められる乾燥品質

表面割れと内部割れ

内部割れ
強度を必要とする構造材では、芯持ち材(木の中心を含むように製材した材)が使われます。芯持ち材は中心の「芯」の部分が乾燥しにくく、木材の表面側との間で、収縮する寸法の差が大きくなり、表面割れ(干割れ)が発生します。

この「表面割れ」は見た目の悪さからクレームになりやすいため、この表面割れをなくすために、木材の表面を引っ張った状態で高温で乾燥させて、表面割れを起きにくくした「高温セット」が行われるようになりました。しかし、このように高温セットがされた状態で高温で乾燥を続けると、外側からは見えない「内部割れ」が起きることがあります。


  表面に現れないが内部割れを起こしている高温乾燥材→

表面割れは強度に影響がない

自然な状態で乾かすことによる「表面割れ」は、強度には影響がなく、むしろ表面割れを起こす木材は、木材の収縮率が大きくなるため、強度が高い材とも言われています。

表面割れを抑えるために、一般的には「背割り」を入れます。背割りとは、柱の面から中心の芯まで鋸を入れることで、他の面で割れを生じにくくする技術です。主に背割りを入れた面は、壁に隠れる側に使用します。この背割りも表面割れと同様に、強度には問題ありません

「木の匂い」成分が溶け出してしまう??

「木の匂い」は木材の精油成分によるもので、フィトンチッドと呼ばれます。樹種によって種類や含有量が異なり、匂いも違っています。この精油成分にはリラックス効果を有するものや、抗菌・防ダニ作用を有するものなどがあります。

そのような精油成分が乾燥方法によっては溶け出してしまうこともあります。精油成分が失われると、木材が脆くなったり、色むらを起こすこともあり、しっかりと木材内部に残す乾燥方法が必要とされます。
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