AMBIEXで家を建て、新たに始めたのは玄関前に作った畑での野良仕事でした。「人と生き物にぐっと近い暮らしに変わったんです。共働きなので、そんなに手をかけられるわけではないんですけど、生ゴミを埋めたらカボチャの芽が勝手に出てきてどんどん育ったり、頂いた苗木からも野菜が収穫できたりして。今年は息子の友達家族を呼んで収穫パーティもできました」。
Hさん家族の試みは、野菜の栽培だけに留まりませんでした。太陽光発電、太陽熱温水器、雨水タンク、薪ストーブ、ペレット調理器など、たくさんの自然エネルギーを導入し、エネルギーを自給する暮らしも目指しました。「真冬はお風呂のお湯が温まらず不便な思いをしたこともありますが、その度に自分たちなりのアイディアで何とか乗り切りました。このノウハウをいつか同じような暮らしを目指す方に伝えられたらと思っています」。
新宿という都会の真ん中で、無理なく自分達らしい暮らしを実践しているHさん家族。「隣人のおばあちゃんは、息子を本当の孫のように可愛がってくれます。そういう人とのつながりも嬉しい」のだとおっしゃっていました。
そんな息子さん。階段の上り下りを毎日繰り返しているからか、足腰がとても強くなりました。外出すれば、「大工さんが建てたお家に帰りたい!」と言うほど、自分の家が大好きなんだそう。
奥さまは言います。「(息子さんが)いつか山で働きたいなんて言ってくれる日が来たら嬉しいです。そしたら喜んで栗駒に修行に出してやるんですけどね(笑)」。